utopiapartment

about something too important to be taken seriously

何もしない

ずっとやろうと思ってたペディキュア塗るのをした。手持ちのネイルでいちばん真っ赤なシャネルの207バルセロナレッド。足のつめは目線から遠いから、やっぱり派手な色が合うなあ。どうせ休みだし手のつめも派手派手しくしたっていいかもしれない。休みがあると思うとあれもしようこれもしようと思うけど、10日やそこらの休みなんてたかが知れててそんなに大したことは出来ない。でも少なくともつめは塗れた。まだ2週間はお休みなのでぼちぼち行こう。

 

最初に仕事を始めた国は休むためにみんな働いてるようなところだった。それぞれの国で幅広く使える会話の糸口ってあるけど、わたしが思うにフランスは絶対「最高のバカンスってどんなの?」とかとにかくバカンスについて聞けばいいと思う。そしたら相手はずっと喋ってくれる。数年前日本に帰国して日本の組織に入って初めて「休みが怖い」という人に出くわした。こういう人が本当に存在するのか…とカルチャーギャップを感じた瞬間だった。休みになっても何をしていいかわからないと言われたのだけど、vacanceとかvacation(空っぽという意味のvacantと明らかに語源が一緒だ)と呼ぶ言語もあるくらいで、休みというのは何もしなくたっていい。

 

児童小説の「クマのプーさん」の二冊目「プー横丁に立った家」の最後に主人公のクリストファーロビンが「僕がいちばん好きなことは、何もしないことをすること(doing nothing)だけど、もう何もしないことを出来なくなる」と言う場面がある。子ども時代の象徴だったプーにお別れを言うシーンだ。このお別れシーンはわたし内お別れベスト3に入るんだけど、大人になると何もしないのを出来なくなるならそれは悲しい。最近の研究で「何もしていないように見える時間も脳は活発に活動している」というのがわかっていると前に読んだ。何もしないように見える時間帯に脳は情報をプロセスしているらしい。何もしないのも、休みも、子どもだろうが大人だろうが、生きるのに不可欠だ。

 

と言いつつ、時間があるからやりたいことはある。味噌がなくなってしまったので作りたいのと、クッキーかスコーンか何日間か楽しめる焼菓子を焼きたい。肉まんも作りたいし、あとは友人に頼まれている原稿を書かないといけない。それと「愛の不時着」のビンジ。何かゆっくり取り組めるゲームをしたいなと思って、人気のどうぶつの森をやりたいとも思ってたんだけど、数年前オンラインゲームで一度身を滅ぼしかけたのでゴールが明確でないゲームはやはり手をつけないようにしようと考え直した。やるのは終わりがあるものだけ。そういえば友人のオンライン講義を聞いていたら、目標が明確にないゲームではプレイヤーは自分で目標を決めていると言っていた。目標を決めるのが苦手だからわたしはゲームの中に沈んでしまうのだろうか。

その点、休みは終わりがあるからいい。