utopiapartment

about something too important to be taken seriously

焼きあがりの香り

おやすみは終わったけど、3日に一度書けたら何かを書くチャレンジ続けてみる。

冷蔵庫に卵がないけど、なんとなくお菓子を作りたいのでまたスコーンを焼く。初めて作ったお菓子は祖母の家の古いオーブンで焼いたアップルパイとチョコチップクッキーでわりとアメリカ人の王道という感じなんだけど、わたしが自分ひとりで初めて作ったお菓子はスコーンかもしれない。

たしか教科書に載ってたこんな詩を読んで、詩ってこんな感じでもいいものなのか!って子ども心に大変な衝撃を受けて、それ以来なんとなくわたしの中でスコーンは特別な位置を占めている。

 

小麦粉とベイキング・パウダーと塩。
よくふるったやつに、バターを切っていれて
指さきで静かによく揉みこむんだ。
それに牛乳を少しずつくわえて、
ナイフで切るようにして混ぜあわせる。 のし板に打ち粉をふって耳たぶの柔らかさになるまでこねる。
めん棒で平たくして型をぬいて、
そして熱くしておいたオーヴンに入れる。
スコーンは自分の手でつくらなくちゃだめだ。 焼きあがったら、ひと呼吸おいて
指ではがすようにして横ふたつに割る。
割り口にバターとサワークリームをさっとぬる。
好みのジャムで食べる、どんな日にも
お茶の時間に熱いスコーンがあればいい。 一日にいい時間をつくるんだ。
とても単純なことだ。
とても単純なことが、単純にはできない。 (長田弘/いい時間の作り方)


スコーンは材料も少ないし、パンのように上手にこねなくてもいいし、時間もそんなにかからず作れるのに、ざくざくしてカリッとしてふわふわして、焼き菓子のいいところがたくさん詰まってる気がする。焼きあがりの香りもいい。

いつから通常勤務が始まるんだろう。わたしの仕事はほぼ全てが海外とのやり取りで、どこの国も今動きが止まっているので今あまりやることがない。どのくらい何もしなくてもいいのか、休み明けの今週はわざと働かないモードで勤務時間を過ごしてみたけど、メールが溜まってる以外はやることがぜんぜんなかった。

わざわざ出勤しても大してすることがなかっただろうからせめて家にいられてよかったけど、家でのんびりしていると、休みが続いてるみたいな錯覚がしなくもない。ベッドでごろごろしてたせいか、夫に「今日お休みなの?」って聞かれた。

夕飯を作る時間だけど、スコーンが焼けるのを待ってる。